戯れに選ぶ年間ベスト10 昨年度ベストはこちら
2006 年1月〜2006年12月までに更新したものの中から、ベスト10を選ぶ、という無謀な試みの4年目。今年度アップ作品143冊。……無謀でしょ? そもそも今年は約400冊(正確には412冊)の本を読んでて、その中の厳選(ってほどでもないが)143冊で、その中の10冊……うう。
で、愚痴はさておき、年間ベスト10はこれです!(毎年、便宜上番号をつけてたんですが、「1位〜10位ということではありません」と書いても「雨女さんが1位にあげてた……」とおっしゃるかたがいるので、番号は外しました。順不同、トップの10冊だと思ってくださいませ)
◎「ケッヘル」 中山可穂 文藝春秋
忠実なる可穂さまファンとして、今年のベストには謹んで「ケッヘル」を挙げさせていただきます。連続殺人事件ということで、恋愛小説が苦手な方でもオススメです。
◎「シャングリ・ラ」 池上永一 角川書店
転職面接でこの本について語ってしまった自分。いま思い出しても赤面もので恥ずかしい……でも、パワフルなこの本の魅力のおかげもあって、無事転職することができました。感謝。
◎「ニューヨーク」 ベヴァリー・スワーリング(村上博基訳) 集英社
今年は長い本をけっこう読みましたが、長い本のしょっぱながこの本だったような。この本の長さが苦にならなかったので、他にも長い本を読もうって気になれたのだと思います。
◎「グアルディア」 仁木稔 早川書房
日本の新人SF作家にこんな人がいたのか! といううれしい驚き。骨太のSFです。
◎「クリプトノミコン」ニール・スティーヴンスン(中原尚哉訳) 早川書房
決して素人向けではないかもしれないけど、読み応えのある、そして読んだあとに感動の残る4冊(この「4冊」ってところで敬遠しないでください。ほんとにオススメ)
◎「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ(土屋政雄訳) ハヤカワ書房
「日の名残り」と迷ったのですが、こちらを。切々と生と死についても考えさせられるよい本でした。主人公が前向きで、だから、泣ける。
◎「シルバーチャイルド」クリフ・マクニッシュ(金原瑞人訳) 理論社
子どもたちの生き方、子どもたちの選んだ道の力強さに。
◎「時間のかかる彫刻」シオドア・スタージョン(大村美根子訳) 創元SF文庫
今年はスタージョンをたくさん読んだので、ベストに1冊くらいは入れないと! と思い……でも選びにくくて。「不思議のひと触れ」も「輝く断片」も 「一角獣・多角獣」 もいいし……
◎「笑酔亭梅寿謎解噺」 田中啓文 集英社
ちょうど「なんかドキドキわくわくしたり、けらけら笑えたりして誰かにオススメしたくなるくらいに楽しく読める本があるといいなあ」と思っていたときに出会った本。こんな本を読み逃してたのか自分! って思うくらいに楽しかったので、感謝を込めてベスト入り。
◎Shadow of the Giant Orson Scott Card
やっとペーパーバックになってくれたよ! という感謝の1冊。シリーズのファンには見逃せない、そしてピーターファンには絶対のオススメ(わからない人にはサッパリわからない…すみません)。
次点は以下のとおり。今年のベスト10は迷いに迷った末「SF」と「ミステリ」に限定しましたので、次点には悔しい本がたくさん(で、どうして「ニューヨーク」がベスト10に入るのかって? えーっと……歴史改変SF……いや、宝さがしミステリってことで…←苦しい)
「昭和囲碁風雲録」 「黄色い雨」 「銀の仮面」 「うらなり」 「驚異の発明家の形見函」
「蝶」「説教師カニバットと百人の危ない美女」
なお、今年は「就職祝いオススメ本」として、多くの方に多くの本をススメていただきました。その本を含めると、トップ10なんて探せるわけない! ってことで、そちらは別格とさせていただいております。だってどれもすっごく面白かったんですもの。
そんな中から、あえてベスト5をあげさせていただくとしたら……(畏れ多いことですみません。外れてしまったといって恨まないでくださいませね)。こちらも順不同で、
◎「侍女の物語」 マーガレット・アトウッド(斎藤英治訳) 新潮社
記憶に残る本ではありました。ということで、やっぱりベスト入りなんだろうなあ…悔しいですが。
◎「ロンドン」エドワード・ラザファード(鈴木主税・桜井緑美子訳) 集英社
長い、重い、でも面白い!! 「ニューヨーク」と合わせて読むと、アメリカとイギリス、国は違っても人々が必死に生きていく姿は同じなのだと……そんな風に思えます。
◎「始祖鳥記」 飯嶋和一 小学館
「雷電本紀」と迷ったのですが…こちらを。今年は飯嶋和一に出会えたのが幸福な年でした。こういう出会いがあるから、誰かに本をススメてもらう喜びがあります。
◎「真砂屋お峰」 有吉佐和子 中公文庫
ぐいぐいと引き込まれる物語、サスペンスフルでスピード感があって、しかも清々しい。今年は有吉佐和子にも出会えた年だったのです。
◎「探偵術教えます」パーシヴァル・ワイルド(巴妙子訳) 晶文社
この本には、「象は世界最大の昆虫である」に通じるユーモアがありました。笑いで心が癒される、そんな1冊。
ちなみに、一次選考(更新履歴の中からさらにピックアップされたオススメ本)、二次選考(その中かからさらにオススメ。斜体。この時点で再読作品と「就職祝いオススメ本」は外れています)は以下のとおり。
1月4冊
「蝶」 「銀の仮面」 「内海の漁師」 「復讐の子」
2月12冊
「チューリップタッチ」 「百番目の男」 「奇術師」 「ゼロ時間へ」 「ニューヨーク」 「一夢庵風流記」
3月8冊
「家守綺譚」 「みんな行ってしまう」 「エレンディラ」 「マルドゥック・スクランブル」 「玩具修理者」 「笑酔亭梅寿謎解噺」
4月14冊
「さあ、気ちがいになりなさい」 「神無き月十番目の夜」 Shadow of the Giant 「侍女の物語」 「始祖鳥記」 「頭蓋骨のマントラ」 「ブレイブ」。 「きもの」 「グルーム」 「探偵術教えます」 「匣の中の失楽」 「マンスフィールド短編集」
5月17冊
「ガストン・ルルーの恐怖夜話」 「トンネル・ヴィジョン」 「真砂屋お峰」 「ペイ・フォワード」 「シャングリ・ラ」 「だからドロシー帰っておいで」 「アブダラと空飛ぶ絨毯」 「私が愛したリボルバー」 「霊峰の血」 「シルクロードの鬼神」 「一角獣・多角獣」 「雷電本紀」 「迅雷」
6月15冊
「イン・ハー・シューズ」 「ダイヤモンド・エイジ」 「警察署長」 「ケルベロス第五の首」 「悪女について」 「ファンタージェン 秘密の図書館」 「輝く断片」 「虚無への供物」 「不思議のひと触れ」 「わたしを離さないで」 「まだ見ぬ冬の悲しみも」 「シルバーチャイルドT : ミロと6人の守り手」
7月16冊
「押入れのちよ」 「時間のかかる彫刻」 「日の名残り」 「神曲法廷」 「松浦純菜の静かな世界」 「三人佐平次捕物帳 地獄小僧」 「あなたに不利な証拠として」「説教師カニバットと百人の危ない美女」 「シルバーチャイルドV 目覚めよ! 小さき戦士たち」「シルバーチャイルドU 怪物ロアの襲来」 「海を失った男」
8月10冊
「ダークホルムの闇の君」 「アウステルリッツ」 「首輪物語」 「モンテ=クリスト伯」 「サム あたたかな奇跡」 「うらなり」
9月12冊
「昭和囲碁風雲録」 「黄色い雨」 「クリプトノミコン」 「ヴァレンタイン卿の城」 「霧笛荘夜話」 「図書館戦争」「ミスティック・リバー」 「図書館警察」 「エンデュミオン・スプリング」
10月12冊
「カジノを罠にかけろ」 「星を数えて」 「サフラン・キッチン」 「形見函と王妃の時計」 「驚異の発明家の形見函」 「美味礼讃」 「フレームシフト」
11月11冊
「火星の笛吹き」 「緋色の迷宮」 「煙か土か食い物」 「グアルディア」 「太陽の王と月の妖獣」
12月14冊
「落下する緑 : 永見緋太郎の事件簿」 「蜘蛛の誘い」 「DIVE!!」 「螺鈿の小箱」 「ケッヘル」 「暗闇のスキャナー」 「世界でたったひとりの子」 「晩夏に捧ぐ : 成風堂書店事件メモ(出張編)」
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