こんな本をすすめてもらった 3月後半〜4月
……こういうことは書いてみるものなのである。
前回、とりあえず就職祝い本が分割払いになったこと、みちるさまからオススメ本をいただいたこと(「ロンドン」上下)、等を書いたところ、「ほんとに鬼畜な条件なので難しすぎ(笑)」などというコメントとともに、多くのみなさまから本を紹介していただいたのである。
ということで、以下、それらの本をまとめて紹介。
すみたこさん 「匣の中の失楽」
実はこれはすみたこさんの二番目オススメ本。一番目は「妖星伝」 とのことで、こちらはわたしが既読ということで二番目をすすめてくれました。この本がよければ中井英夫「虚無への供物」もどうぞ、ということで、こちらもおすすめいただきました。
「雨女さんのオススメの日本ミステリの好みはわしとかなりかぶってるのでたぶん大丈夫かと」というお言葉どおり、かなりツボにはまった選択。ミステリなのか妄想なのか、あり得るようであり得ない世界、あり得ないようであり得る世界、というこの微妙なバランスがたまらない本です。好みはわかれる本だと思うのですが、わたしにとってはすすめていただいて感謝、という本でした。そういうところを狙えるのがスゴイ(笑)。
okmさん 飯嶋和一「雷電本紀」
「神無き月十番目の夜」 「始祖鳥記」
SFでないのが最大の問題点、といいながらも大プッシュしてくれた本。実は彼女は大学も年齢も違うのだが「SF研在籍経験者つながり」という細い糸が(笑)。そのせいか、「SFかすってます、かね……架空ってあたり……<無理かと」などとコメントしつつすすめてくれた本でしたが、これは見事に好みに合ってました。久しぶりに時代小説を読んだせいなのか、飯嶋和一の描き方なのか、かっこいい男の話を読ませてもらった気分。たぶん、今年は作家読みをするだろうな、と思うくらいにおもしろかった……(といいつつ、実は「黄金旅風」は挫折中。なんか読みづらいのは気のせいか?)。
八方美人男さん 「探偵術教えます」
実は最初、隆慶一郎「影武者徳川家康」、okmさんの「雷電本紀」をうけて相撲ものってことで室積光の「ドスコイ警備保障」をすすめていただきました。が、隆慶一郎は全巻読破しているために却下。「ドスコイ……」は別に太った人が好きなわけでもないので「雷電本紀と続けて読むと頭の中がねっとりしそう」というとんでもない理由で却下。
そこで、以前オフ会で八方美人男さまが熱く語っていたこの本をすすめていただきました。
ほのぼのした探偵モノで、趣向が変わっているのが最大のポイント。
バーバままさん 「異色作家短編集」(早川書房)
一冊だけではなく、もちろんシリーズですすめられたのですが(と解釈して間違ってないと思う)、特にあげられた一冊は「さあ、気ちがいになりなさい」。これは「大人買い」しちゃう衝動にかられるすごいシリーズ。わたしも押さえていたものはあるのですが、やはり買いですよね、と改めて思わされた本でもあります……ってか、文庫におりてくれないものか(泣)。ブラウンの「さあ、気ちがいに……」は、既読のものもありましたが、未読のものも多く、星新一訳でブラウンが読める! ってだけでもオススメです。
きなさん 「真砂屋お峰」「悪女について」「ブレイブ」「ベルリン」
まとめて四冊(プラス、既読でしたが「天平の甍」もすすめていただいたので5冊)のおすすめ。有吉佐和子は図書館でいつでも読める、と思って読んでいなかった本なのですが、すすめられて探してみたらなかった……。「ブレイブ」は映画の宣伝だけを知ってて気持ち悪い話だと思っていましたが、残酷描写を超えたせつない作品でした。「ベルリン」はまだ未訳部分があるということで、完訳を待つことに。並べてみると幅広いオススメ本選択です。さすが。
くらさん 「グルーム」 「頭蓋骨のマントラ」「本格小説」
怒涛の三冊(ってか、「マントラ」と「本格小説」は上下二冊なので計5冊)連続おすすめをしてくださったのはくらさん。妄想と暴力の「グルーム」とファザコン探偵に「萌え」るという「マントラ」、そして純文学……とこちらも幅広く。「マントラ」は思わず既刊シリーズ読破してしまいました。主人公の人間的成長に泣ける部分も多く。ただし問題は、実は以前から挫折していた「本格小説」。結局、図書館で延長に延長を重ねて2ヶ月近く借りていたのですが、読めないままに来週には返却する予定。厚さなのか女性作家のせいなのかタイトルのせいか、あまりにもいろんな人がすすめてくれちゃうせいなのか。できればこの数年中には読みたいのですが……
律儀でいい人 「侍女の物語」
そうこうしているうちに、第二回配本日がやってきた。二冊目のオススメ本は「侍女の物語」。「きもの」といい、この作品といい、どうして抑圧された女性の話ばかりをすすめてくれるのか。悪夢にうなされた、と思わず文句をつけてしまったわたしである。祝いなんだか呪いなんだかわからない! と。ちなみに、このときこの人がすすめてくれたのは4冊。うち1冊は既読(横山秀夫「第三の時効」)、1冊は嫌いな作家だったので即却下(唯川恵「肩ごしの恋人」)、1冊は「これをわたしにほんとうにすすめるの?」と差し戻しの上、本人が再考してひっこめたもの(ヒキタクニオ「鳶がクルリと」)。
ほぼ同時に八方美人男さんが掲示板にヒキタクニオの「消し屋A」について、「ときどき会話文ばかり続いて稚拙な感じがする」とのコメントを書き込み。……差し戻して正解じゃん! と内心つぶやいてしまったワタクシ。
yuiさん 「ペイ・フォワード」 yuiさまからのオススメ本。これも映画化? というおぼろな記憶のみある本。まだ読んでおりませんので、感想はこれからになりますが、楽しみに読ませていただきます。気づいたら、みなさんけっこう映画原作とか映画化予定とかって本をすすめてくれているのでしょうか……偶然?
そういうわけで、4月の更新はとってもレベルの高いものになりました(あいだに入れた自分の読書本のレベルの低さがめだってしまう……)。感謝! です。
なお、そうか、こういうイベントがあったのか……と思っていらっしゃる方々。
もちろん、まだまだオススメ本は受けつけておりますし、6月には誕生日という大イベントもありますのでどうぞよろしく(まだねだるのか、自分)。
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