"What do I have to do?" he asked.
"You have to kiss me."
         
Sixth Grade Secrets       Louis Sachar


 今回のサッカーは、Wayside schoolよりはちょっと年上、異性を意識し始める6年生たちの物語。Lauraは4歳のとき、髪を切るのがいやで暴れてランプを壊し、さらにそれを隠すために嘘をついたことで、父親にジョージ・ワシントンの桜の木の話を聞かされる。その話に感動し、ワシントンを憧れの人としているLauraはそれ以来嘘をついたことがないし、嘘をつくまで髪を切らなくてもよい、ということで一度も髪を切ったこともない。腰まで流れ落ちる豊かな髪をかきあげる仕草は、Lauraをきらいな女の子にとっては女王様気取りに見えるが、Gabrielはその髪をとても綺麗だと思っている。
 さて、クラスの中心人物ともいえるLauraが作ったPig Cityという名のクラブ。秘密のクラブに入会するために、みなひとりずつ保険をかける――赤ん坊の頃の恥ずかしい写真や下着、先生にあてたラブレター、ヘンな歌などなど……ところが、誤解が誤解を生んでGabrielを入会させることに失敗したLauraは、さらに嘘つきといわれて逆上し、ふたりは決裂。Monkey Townというクラブを作って対抗したGabrielとの嫌がらせの数々は次第にエスカレートしていって……
 本当は互いに好きなのに、ふとしたことがきっかけで暴走してしまう対抗意識が、小学生ってそうだったのかも、と思われて可愛い。嘘はつかない、といいながらも、実は嘘ぎりぎりのことをしているLauraがそのことに気づくのはいつなのか。伏線や洒落といった面白さはないのだけれど、可愛い恋愛ものとして楽しめる。担任のMr.Doyleもなかなか奥の深い人物である。



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