真夜中だというのに、あまりいい気分じゃない。
「ミッドナイターズA ダークリングの謎」 スコット・ウエスターフェルド(金原瑞人・大谷真弓訳) 東京書籍
レックスたちミッドナイターは、新しい仲間ジェシカを得たことをきっかけに、ブルータイムやダークリングの謎を解こうとしていた。中でも、数の天才デスは、父親のGPSを使うことで、ビクスビーの謎を解き明かそうとし、ある秘密の場所に辿りつく。一方レックスとメリッサは、ビクスビーの中にダークリングたちに仕えている人間がいることを知り、ダークリングと人間から作られたハーフリングの存在を知る。しかもそのハーフリングはレックスと同じ<特別な目の持ち主>から作られており、ダークリングたちは次のハーフリングのためにレックスをさらおうとしていたのだ。ビクスビーの町の秘密とは何か。かつてはたくさんいたはずのミッドナイターたちは、いまはもう誰ひとり残ってはいないのか? 幼なじみで深い絆をもつレックスを助けたいと思う一方、マインドキャスターとしての自らの力に苦しむメリッサ。互いに力を合わせてレックスを救い出そうとするジェシカとジョナサン。レックスの救助は間に合うのか?
第一巻に引き続き、ダークリングやスリザーたちとの闘いに身を投じるミッドナイター達だが、今回はそれぞれの持つ特別な力が前巻以上に発揮され、手に汗握る展開となっている。前回は真夜中の一時間だけの闘いだったのだが、ダークリングに仕える人々の存在が明らかになることで、昼間の時間まで緊張を強いられる五人。それぞれの能力の違いや考え方の違いもあって、反発しあいながら、それでも力をあわせて闘ってゆく。
お互いに完全には信頼しきれないもの同士が、否応なく力をあわせていく、というところなど、妙に現実味があるし、それぞれの能力の活用の仕方もいい。第三巻ではさらなる謎が明らかになるとか(ほんとに三巻で終わるのか)。楽しみである。
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