ポンス 食べ物は、コンビニ倉へ行って配給を受けたのでしょう。それが可能だったということは、
中央集権国家が確立していたということです。
後道 よく食べていたものは、飯のまるめたもの、できあいの弁当、乾燥ヌードル、
でん六のピーナッツ、亀田の柿の種、なとりのいかくん。
「鼎談 日本遺跡考古学の世界」(「博士の異常な発明」収録) 清水義範 集英社
史上最大の発明は何だろう、ということで話が盛り上がった居酒屋から、この短篇集は始まる。とはいえ、連作というわけでもないのだが(登場人物に重なりがあることもある)。
ペットボトルを簡単に分解してしまう酵素を発見し、ゴミ処理に革命を起こした博士の「文明崩壊の日」や中国の早すぎた天才を描いた「袁孫の発明」、捨てられたペットロボットたちが進化を遂げる、ちょっとせつない「野良愛慕異聞」など、面白い話が山盛りだが、ここはあえて「鼎談 日本遺跡考古学の世界」をあげる。
ときは12068年9月14日(書いていないが、おそらく西暦なのだろう)。日本遺跡に関しては一言ある三人の学者が語る「古代日本の姿」。なにせ日本はおよそ一万年ものあいだ海底に沈んでいたのだが、50年前に突如浮上。世界的な関心の的となっているのだ。そこで彼らは真剣に、かつての日本の姿をその遺跡から考察する。
はたして、トチョーシャは神殿だったのか?「東京砂漠」という歌があるからには、東京は砂漠である。となると、残された遺跡はオアシス・タウンだったのか。ミイラ化した若い男性の遺体、通称ロン毛くんから考察する、当時の人々の服装と特殊な化粧法について。博多遺跡に残された重大な資料、「ありがとう王さん」の落書きが示す、日本に王がいたという事実。これは伝説の卑弥呼なのか!?
清水義範のすごいところは、これを読んでしまうと(申し訳ないけど、長いこと儀礼で使われる「偽米」だと信じていたものが昆虫の糞だったりした出来事とあわせて……)、現代人が信じる古代人の姿の、どこまでが本当なのかなあ、と首を傾げてしまったりするところである。いや、こんなひどい勘違いはないとは思いますけどね、たぶん……。
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