When I look at you
I see the woman I want to be
Strong and brave
Beautiful and free
　　　　　　　　　　　　Life on the Refrigerator Door Alice Kuipers

　物語はすべて、冷蔵庫に貼られたメモの形で進行する。母から娘にあてた買物のリスト。娘から母にあてたお小遣いのおねだり。ごくわずかな文字数しかないそのメモを追っているうちに、娘の年齢や、母親の職業などもちゃんと伝わってくる。
　忙しい母親とは滅多に会えず、だからこそ、冷蔵庫に貼られたメモのやりとりは貴重。娘はそこでボーイフレンドについての悩みを語り、母親はそこで娘に対する不安や信頼を告げる。メモの上で喧嘩し、仲直りをし、互いの愛情を確かめ合う母娘。そんなある日、母親の病気が明らかになって……――
　たくさんのメモの中から浮かび上がってくる、娘Claireの成長。細かい描写なんてほとんどないし、当然のことだが母娘にとって自明のことは省略されているので、たとえば突然出てきた名前や地名に関しては、娘の友だちなんだな、とか、母親の友だちなんだな、とか、類推するしかない。それでもとてもたくさんのことが伝わってくるところが、すごい。
　長い文章はほとんどないので、とても読みやすいと思う。感動的なラストまで、ぜひいっきに読み進めてもらいたい。



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