" That was why I was so sad. I was getting used to the idea of never being able to go back home to see my old friends, but it was just yesterday that I realized I'd never be able to make new ones, either."
          
 Cirque Du Freak      Darren Shan

 これに関してはわたしがはまりまくったときには邦訳が出ていたことが判明し(泣)、アメリカ版で読んでいたら日本版のほうがすすんでいたなんていう悲しい過去もあるのだが。
 「ダレン・シャン」という題で邦訳は出ているらしい(日本語訳は未読)。とにかく、ハリー・ポッターを書いたローリング絶賛というのでつられて手にし、あまりの読みやすさに涙流すほど感動というオチまでついた作品である。なにせ主人公のDarrenの語彙力が少なく、読み手としては読みすすむのがラク。幼いときから蜘蛛にたいして異常なほどの愛着と幻想を抱き、ついにそのために半吸血鬼にまでされてしまう少年の物語。最初のうちは間抜けなのか可愛いのかわからないほど単純な主人公に、わたしなんかはもう愛しさで胸いっぱい、というハマリかたをした。自分を半吸血鬼という存在に陥れた吸血鬼に対する愛憎半ばする感情がときにはヒステリックに、ときには涙ながらに切々と出てくるところも可愛い。読み直したら「可愛い」の連発だが、とにかくそういう話なんだから仕方ない。
 噂によれば日本語版では吸血鬼の一人称が「吾輩」だとか……。勘弁してくれ。英語で読めばダンディなおじさまなのに。ハリポタの二倍は読みやすい英語である。ぜひ、英語で読んでもらいたいし、それがだめなら日本語でもいいから読んでもらいたい。ほんと可愛いんだって、Darren。



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